情報公開

平成28年度は中長期経営計画後期実施計画の一年目の年となり、数多くの実施項目に着手し着実にその計画を推進するとともに、社会福祉法等の一部改正による、経営組織の在り方の見直し、事業運営の透明化、財務規律の強化、地域における公益的な取り組みの実施についての検討を進めてまいりました。平成29年度はその検討内容を踏まえて、より具体的な取り組みを着実に進捗させ、当法人がこれから数年かけて高い公益性を有する社会福祉法人ならではの役割を地域で担っていく姿勢を明確にしていく必要があります。

また、高槻荘の大規模改修工事についてはユニット化への改修工事とすることとし、それに伴い工事費用も当初のユニット化を伴わない大規模改修工事と比較して増える見通しとなっています。このユニット化改修工事を確実に実現するためには、介護予防・日常生活支援総合事業の実施にともなう対応や、減額が想定される平成30年度の介護報酬改定への対応など、様々な課題を踏まえた法人全体の経営目標を毎年度達成していく必要があります。これら当法人の目標を達成するためには、各施設がその所在する地域の様々な福祉ニーズを的確に把握し、それぞれが定めた経営目標を、強い熱意と責任感を持って毎年度確実に達成することが求められます。

一方で人材の確保と定着に関する取り組みについては、法人全体の継続的な課題となっていることから、引き続きリクルーターや採用担当職員が中心となり、ハローワークや学校などの関係機関と密接に連携しながら、着実にその課題解決を図る取り組みを進めるとともに、当法人の魅力を対外的にアピールするため、平成28年度から永寿園とよなかでスタートした企業主導型保育事業や、SNS、リニューアルしたホームページを積極的に活用します。また、OSJ研修・研究センターによる潜在介護福祉士や未経験者を介護の仕事に結びつけるための地域住民向けの講座や、他法人の職員も参加できる研修の開催も進めていきます。

新たな事業への取り組みとしては、豊中市において市立の運営を引き継ぐこととなった生活介護事業所や、3か所の介護予防センターの運営を開始します。いずれの事業も、公募により選定を受けており、提案した内容を確実に実施することはもちろん、各関係機関や地域と密接に連携しながら、期待される役割を果たせるよう取り組みを進めます。

また、平成28年度にはくすのき広域連合から、介護予防・日常生活支援総合事業における「生活援助サービス従事者研修」を受託し実施することができましたが、平成29年度も各市町村において同様の取り組みが進められることが想定されることから、その動向を把握しながら受託に向けて積極的に検討していきます。

地域における公益的な取り組みの推進については、平成29年度も積極的に地域ニーズの把握やそれにもとづく具体的な取り組みを進めるとともに、その総括と対外的な発信について検討していきます。



1.経営理念

 私たちは「よりそう想い つながる心」の精神のもとで、活力のある高齢社会及び人権が尊重される社会の実現に向けて、ご利用者が自ら望む暮らしを実現し、安心・安全な生活を送れるよう取り組むとともに、職員がそれぞれの能力を十分に発揮し、いきいきと働ける職場づくりを目指します。そして、地域社会を構成する一員として、事業団が有する資源を最大限活用することで、積極的に地域福祉を推進し社会に貢献していきます。

2.経営の方針

(1)介護・生活支援サービスの充実
(2)専門性の高いケアの提供
(3)人材育成のための環境整備
(4)地域福祉の推進
(5)経営基盤の安定に向けた取り組みの推進
(1)介護・生活支援サービスの充実
①地域包括ケアシステムの推進のための取り組み

 地域の高齢者が住み慣れた地域で生活を継続するためには、生活の基盤となる住まいの確保が重要となります。各市町村の高齢者の住まいに関する課題や、取り組み内容等について聞き取りを行い、その内容にもとづいて支援の方向性など各施設が担える役割について検討を行います。また、在宅利用者の医療ニーズに応えられるよう、在宅療養支援診療所との関係を深めるとともに、地域ケア会議等を通じて市町村や医療機関と居宅介護支援事業所等の介護サービス担当者が情報交換を行える環境を整えます。さらには、地域包括支援センター等に配置が進められている生活支援コーディネーターについては、地域の既存組織や関係機関と連携しながら、高齢者の生活支援、介護予防の基盤整備を推進する役割を果たしていきます。


②給食委託業者選定に関する取り組み

 平成29年度の各施設における給食業者の委託契約期間満了に伴い、平成28年度より給食委託業者選定PTにおいて給食業者からのヒアリング等を踏まえ、より効率的で質の高い食事提供が実現できるよう、その選定方法について検討を行ってまいりました。その検討内容をもとに、年度開始間もなく委託業者を選定できるよう準備をすすめるとともに、選定後は、平成30年度からの食事提供がスムーズに行えるよう新たな委託業者と調整します。


③高齢者の介護予防推進のための取り組み

 平成28年度から豊中市において事業を開始した二か所の介護予防センターにおいて、「とよなか健康大学」を開始し、高齢者の身体機能等の向上、交流の機会の提供、活躍の場の提供、生きがい作りと役割作りを推進する具体的な取り組みを進めることができました。平成29年度は、新たに受託することとなった三か所の介護予防センターにおいては、従来の老人福祉センターの機能を維持しながら、介護予防に資する取り組みを着実に推進するとともに、他の市町村においても、より具体的で効果的な介護予防プログラムの提供について検討します。


④介護予防・日常生活支援総合事業への参画

 平成29年度から各市町村において本格的に介護予防・日常生活支援総合事業が開始され、要支援者にはそれぞれの地域の実情を鑑みたサービスが提供されることとなります。当法人においては、平成28年度に箕面市において訪問型サービスAを開始したNPO法人なにわ和楽日の会と積極的に連携しながら、要支援利用者及び要介護利用者に継続的なサービスが提供できる体制を整えます。


⑤障がい者の地域移行に向けた取り組みの推進

 豊中市において平成28年8月にみずほおおぞらの運営を開始しましたが、当該施設の入所者については、おおむね3年から5年の期間を経てグループホームなど地域での生活へ移行することとなっており、その準備を進めていく必要があります。現在の入所者の望む暮らしの実現に向けた生活の場を地域において確保するため、関係機関との調整はもちろんのこと、大阪府障害者福祉事業団との連携、公営住宅など既存の資源を活用したグループホームの整備計画の作成に着手します。

(2)専門性の高いケアの提供
①認知症ケア充実のための体制整備

 各施設において充実した認知症ケアを提供するために、認知症介護実践者研修及びリーダー研修の受講計画を作成し、その計画にもとづいた受講を進めます。また、OSJ研修・研究センターにおける認知症ケア研究会の検討事例を用いた研修会等について、各施設における開催及び希望施設から職員が参加できる仕組みについて検討を行います。


②訪問看護事業への参画

 訪問看護事業の開設にむけて平成28年度に取り組んだ運営収支シミュレーションと地域における医療的ニーズの把握についての総括を行うとともに、一般的に訪問看護員の確保の難しさが課題とされていることから、実際に当該事業を運営している他法人の人材確保のための取り組みについての情報収集を行いそのノウハウを集積していきます。


③医療的ケアの充実のための取り組み

 特別養護老人ホームの重度化に伴う医療ニーズの増加に対応するため、診療所の従事医師の増員による診療科目の拡大についての検討を行います。また、介護職員のたん吸引等の実施のための50時間研修については、介護職員の計画的な受講を進めるとともに、指導者養成研修の受講、研修機関への登録に向けて取り組み進めます。

(3)経営基盤の安定に向けた取り組みの推進
①施設改修・整備計画の更新

 過去の工事や建物規模等から概算で算出し作成した施設改修・整備計画について、平成29年度中に当法人が所有する全ての建物の具体的な修繕や保全箇所の調査及びそれにかかる費用について、専門的な業者に調査を委託し更新します。また、各施設の日々のメンテナンスをきめ細やかに行うことが、長く建物を使用していくには必要不可欠であることから、施設における毎年度のメンテナンス項目とその方法を定めるとともに、そのメンテナンスについて一括契約が可能な項目についてはその検討も進めます。


②経費削減のための取り組み

 平成28年度より、大阪府障害者福祉事業団と検討を進め導入を行ってきた消耗品等の一括契約については、その効果を検証し契約項目の拡大について検討を進めます。また、四條畷荘で新たに導入した目標電力を時間単位で設定できる電気デマンド監視システムについて、その導入効果を検証したうえで、効果が認められた場合にはそのシステムの他施設への導入について検討を進めます。


③法人組織の強化

 平成28年度から準備を開始した、経営組織のガバナンスの強化のための新評議員による定時評議員会について、厚生労働省から示されたスケジュールにもとづき開催します。また、財務規律の強化についても、平成29年度からの会計監査人導入に伴う会計監査事前調査の結果にもとづき、法人内部統制の確立と適正な会計処理の徹底を図り、会計監査人報告書において、全ての重要な点において適正であると認められる場合に監査人が表明する「無限定適正意見」を獲得できるよう、その準備を進めます。


④法人の魅力をPRする機能の強化

 平成28年度より導入したSNSによる情報発信について、地域住民や求職者にとっての有益な情報などを新たに掲載することで、登録者数や閲覧数の増加を図り法人の魅力をより多くの方に提供していきます。また、平成28年度から検討を開始したホームページのリニューアルについても、当法人の新しい事業や地域公益事業における取り組み、ワークライフバランスの推進のための取り組み等、地域住民や求職者にとって興味や関心の高い内容について掲載していきます。
また、SNS等の新たな情報発信の手法を活用していくにあたっては、ますますソーシャルメディアに関する正しい知識や情報管理の手法を身に付けることが必要不可欠であることから、その取扱いマニュアルを作成するとともに担当者へ適切な研修を実施していきます。


⑤新規事業の取り組み

 平成28年度に公募が出され、選定を受けることができた豊中市における生活介護事業所については、重度知的障がい者の支援に対する専門的な知識・技術が必要不可欠であり、豊中市からの継続的な指導・助言を受けながら運営を引き継ぐとともに、隣接のみずほおおぞらとそれぞれの持つ施設の特性、職員の配置を活かしながら、幅広いニーズに応えられるよう連携を図ります。また、平成28年度から運営を開始した介護予防センターについては、平成29年度から新たな公募により選定を受けたセンターを加え5か所の運営を行うこととなり、広く市内の介護予防の推進に寄与するための取り組みを進めるとともに、原田介護予防センターにおいては、平成28年度に永寿園で事業を開始した企業主導型保育事業の実施に向けた検討を進めます。さらに、シルバーハウジング生活援助員派遣事業の委託については、介護予防センターと隣接する場所にあることから、集会所等における出前介護予防講座等の実施により連携を図りながら効果的な事業運営を行います。 


⑥経理事務の集中化への取り組み

 平成28年度に豊寿荘、永寿園とよなか、みずほおおぞらで開始した経理事務の集中化における取り組みについては、事務局と施設の役割分担や施設における日々の処理とそれを担う職員体制など新たな課題も出てきていることから、それらの課題や今後の集中化の在り方、方向性について検討を行います。

(4)人材育成のための環境整備
①職員評価制度の見直しについての検討

 現在の職員評価制度について、研修制度及びキャリアパスと一体となった制度となるよう、個別研修プログラムや各種チェックリストと連動させるための方法や、評価項目の見直し、昇給や昇任等との関連付けについて検討します。また、従来の考課者研修の内容を今まで以上にモチベーションの向上に繋がる研修内容に変更します。


②人材確保のための取り組みの推進

 平成28年度は、人材確保については最重要課題の一つとして、福祉や介護、事業団の魅力を伝える機会として、ハローワーク主催の説明会への積極的な参加、学生や求職者を対象とした各施設を巡るバスツアー等のイベントを開催するなどの取り組みを進めました。平成29年度もハローワークとの連携を深める取り組みを継続するとともに、できるだけ早い段階で当法人に興味を持ってもらうためのインターンシップ制度や学生や求職者のニーズの把握とそれらを充足する取り組みについての検討を行います。また、それぞれの就職活動のタイミングと事業団の採用試験実施時期が重なるよう、その実施時期と実施頻度の見直しを行います。さらには、平成28年度に取り組みを開始した次世代育成支援対策推進法にもとづき子育てサポート企業として認定される「くるみんマーク」については、平成29年度の早い段階での取得を目指すとともに、女性活躍推進法にもとづいた女性の活躍に関する取組の実施状況等が優良な企業に与えられる「えるぼし認定」が制度化されており、その取得に向けての取り組みを進め、女性が活躍しやすい職場風土であることをパンフレット等で見える化し人材の確保に繋げていきます。
平成28年度に、全職員への募集により寄せられたエピソードをもとに作成した介護に関する3種類の絵本については、小学校等へ積極的に紹介し、絵本の読み聞かせと福祉の授業での活用に繋げていくとともに、介護福祉士養成校や福祉系大学へは、補助教材としての活用を働きかけます。また、当法人のホームページにおいても、絵本を読むことができるよう掲載するとともに、選考時に寄せられた他のエピソードも紹介し介護の仕事についてのPRに繋げます。


③人材定着のための取り組みの推進

 人材定着のための取り組みとして、各施設に配置している人材育成担当職員については、その役割を今まで以上に明確にして離職防止に繋げます。また、安定した施設運営に繋げることで、人材の定着を図れることから、正規職員の比率については収支のバランス等様々な要素を含め検討します。さらには、介護職員の離職防止にかかる研究として、OSJ研修・研究センター客員研究員が取り組む「認知症の施設介護のためのストレスマネジメントの開発」に関して協力を進めます。


④介護負担軽減のための機器の導入についての検討

 平成28年度に「介護従事者の負担軽減に資する介護ロボット促進事業」による交付金を受け導入した機器について、導入による介護職員への負担軽減効果について検証します。また、介護ロボットに関する情報については、開発している企業からの情報提供も少ない状況から、当法人も関係機関として参加した「大阪府ロボット関連技術支援研究会」等を通じての情報提供を受け、その導入についての検討を進めます。


⑤OSJ研修・研究センターにおける取り組みの強化

 各施設が立案している研修計画について、サービス内容の標準化を図るため、OSJ研修・研究センターにおいて統一した研修計画の立案に向けて検討を行うとともに、生活相談員や機能訓練指導員等、介護職員以外に対する研修プログラムを作成し実施に向けた準備を行います。
外部研修機能の強化として、サービス管理責任者や認知症介護実践者等の養成研修について引き続き受託していくとともに、その他の市町村の養成研修についても新たに受託していけるよう積極的に情報収集等を行います。
地域向けの潜在介護福祉士や未経験者等への研修の開催については、平成28年度開催した内容を踏まえ、より参加意欲が引き出されるよう新たな内容を検討し実施します。また、他業界及び教育機関への講師の派遣、地域向け講座の担当講師の育成と専用テキストの作成についての取り組みを行います。

(5)地域福祉の推進
①地域における公益的な取り組みの推進

 平成28年度には、社会福祉法人の責務として地域における公益的な取り組みを推進するためその要件や具体例等が出されました。平成29年度も引き続きそれらに合致する内容にもとづいて、各地域におけるニーズを充足する取り組みを積極的に進めます。また、平成27年度より具体的に推し進めた当法人の地域公益事業の取り組みについて、それらがどのように地域課題解決のために寄与することができたのか、今後の展開などを踏まえた事例集を作成するとともに、地域住民や各関係機関に配布することで広く発信していくツールとして活用していきます。


②地域における認知症高齢者支援のための取り組み

 平成29年度末までに各市町村において認知症初期集中支援チームが設置されることから、各市町村の動向を調査し当法人の地域包括支援センター等にその設置ができるよう働きかけるとともに、すでに設置されている市町村においては、積極的に連携を図り、地域の認知症高齢者支援の一翼を担えるよう、その取り組みを推進します。また、平成28年度に引き続き認知症サポーター養成講座の講師役となるキャラバンメイトについては、各施設において計画的に受講を進めるとともに、認知症サポーター養成講座についても積極的な開催を進めます。


③地域における高齢者の役割づくりと生活支援の担い手の創出

 平成28年度に引き続き、当法人の施設が所在する市町村において、従来から関わりのあるボランティア団体や地域活動の中心となり得る住民への働きかけを行い、地域において必要とされる見守りや外出支援、買い物、調理などの簡単なサービスが提供できる社会資源の創出についての取り組みを進めます。また、認知症サポーター養成講座へ参加したサポーターに対するフォローアップ研修の開催等を通じてその組織化を図り、地域住民による要援護高齢者等の見守り活動につなげます。


④地域の障がい者支援・子どもの居場所作りの検討

 運営する障がい福祉サービス事業所において、障がい者が地域で生活を送るにあたり必要とされる支援についての聞き取り調査を行い、その抽出された課題に対して当法人が担える支援内容や役割について検討します。
また、子どもの居場所づくりとして、小学生を対象とした高齢者との交流の機会の提供、介護の仕事についての理解を深める取り組みについて、平成28年度に実施した取り組みを参考にしながら、各施設において積極的に実施するとともに、その活動を支える高齢者等のボランティアを確保します。

ページの先頭へ
〒562-0012 大阪府箕面市白島3丁目5番50号
電話:072-724-8166  FAX:072-724-8165